「――リヴァイ、リヴァイ。おーい」
ばさばさと、何かが風にはためくような音が聞こえた。
風を感じ、うっすらと目を開けると、見知らぬ天井が視界に入る。
意識が朦朧とする中、風が吹いてくる方角に頭を傾けると、開いた窓から吹き込んでくる風で、カーテンがはためいているようだった。
珍しく夢でも見ていたのか、誰かに呼ばれたような気がした。ただ、誰なのか思い出せない。
よく晴れていた。
窓の向こうで、晴れ渡った青空の中を、薄い雲がゆったり漂っているのが見えた。
ぼんやりとしたまま、しばらく外の景色を眺めていると、遠くから、なにか機械音が聞こえてきた。
「まだ、飛ばせてくれるって」
まだ夢を見ているのだろうか。
カーテンがはためく音に混じって、どこからかささやき声が聞こえた――ような気がした。
それと同時に、窓の外を、一機の飛行艇が横切って行くのが見えた。