古の勇者達

古の勇者達


エンディング後のねつ造長編小説です。オリジナル要素が強いので、苦手な方はお引き取り願います
2019.12.21 完結しましたm(_ _)m

24.古の勇者達へ

2019.12.21「ハハハ! 素晴らしい! 世界に魂があふれている!」 ぼんやりと目を開けると、冷たそうな岩肌が見えた。 誰かに引きずられているようで、どこかの岩山を登っているらしい。こちらの意識が戻ったことに気づいたか、突然、乱暴に放り…

23.震える大地、運命の時

2017.7.1「くそっ、なんなんだあいつら……」「プリシラ、しっかりせぇ!」 息を切らし、膝をつく。左腕の傷口から流れる血が体毛を濡らし、地面へと落ちていく。「おばあ様、先に逃げてください!」「バカ言うな! 逃げるのは、先の短い年寄りより…

22.アナイス王に捧ぐ

2016.8.21 遠くから、雷鳴が聞こえる。 建物の中にいても強い風音が聞こえ、木々がぶつかり合う音がうるさい。「父上?」 声が聞こえた――気がした。 もたれていた扉から背を離し、耳を当てる。 雷鳴が近くなる。近くに落ちたのか、まるで…

21.勇気と願いを

2015.4.3「あんたが見張り? 珍しいわね」 顔を上げると、エリスがいた。寝床から抜け出してそのまま来たのか、髪がぼさぼさのままだ。 慌てて、最近購入した大振りのマフラーを首に巻くと、「まだ夜明け前だぞ」 空を見上げると、木々の向こ…

20.幸せのとき

2014.7.6 とにかく、彼は一生懸命だったと思う。 他の新兵は上官が終了の合図を出せば帰ってしまうのに、彼は自分が納得するまでやめなかった。 その向上心はすばらしいものだが、教育担当はたまったものではない。みんな嫌がり、ほとんど押し…

19.幻影のフラグメント

2014.2.3「な~んか、こないだから呼び出されてばっかだな」 『ヴァンドール城にて待つ』  そう書かれているらしいメモを手に、キュカがぼやく。「ま、楽でいいですけどね。目的地に悩まなくて」「どう考えても罠だろ」 船の窓から外を見下ろ…

18.胎動

2013.7.21「おっきーお骨であります!」「これは……竜の骨だな」 走るテケリの後をついて行きながら、前方の巨大な骨を見上げる。 骨だけとなった体は白い砂に半分埋もれていたが、頭蓋骨の大きさからして、生前はナイトソウルズくらいの大きさは…

17.廻る運命の輪

2013.1.1 「隠すって……何を?」  極力、平静を装うが、心は激しく動揺していた。  エレナはこちらの動揺を見透かしたようだが、怒ることもなく、ただ、優しい微笑みを浮かべ、 「ユハニも言って…

16.ひとときの休息2

2012.8.14 地面から足が離れたかと思うと、視界がぐるりと回転する。 さっきまで上に見えていたものが下に見え、上を向いているわけでもないのに空が見え――「うぁっ!?」「ぷぎっ」 悲鳴を上げると同時に、ぷちっ、と、何か柔らかいものを…

15.秘めやかな燦めき

2010.12.31 窓から外を見下ろすと、少し前まで海しか見えなかった光景に緑が混じっていた。「あれがディオールか……」 海と空に挟まれるように、森が見えた。これまで見てきたどの森の緑よりも、一層深い緑のような気がする。 なんとなく、…

14.明日への力

2009.10.21 古い本の匂いがする。 気がつくと、自分はいつもここにいたような気がする。 ミラージュパレスには一生かかっても読み切れないだけの書物が保管され、好きな時に好きなだけ読むことが出来た。 そのせいか、幼い頃からヒマな時は…

13.その心のままに

2008.8.20「――神獣が目覚める心配はないんやないか?」 ぼんやりとした意識の中、声だけが聞こえた。 ――誰だ? 暗いわけでも、明るいわけでもない。何も見えず、天地もわからないが、不思議と不安はなかった。 体が、軽い。「たしかに、今は…