古の勇者達

古の勇者達


エンディング後のねつ造長編小説です。オリジナル要素が強いので、苦手な方はお引き取り願います
2019.12.21 完結しましたm(_ _)m

12.ひとときの休息

2008.4.13  ……ざざ~ん…… 「……のどかだな……」  窓の外に広がる青い海を眺めながら、キュカはぽつりとつぶやいた。  甲板では、ロジェとテケリ、エリスとニキータが朝から釣り糸を垂らしてい…

11.風の王国

2008.3.11  庭に出ると、小鳥達がさえずりながら、木から木へと飛び交っていた。  いつもの光景だった。  見慣れた――むしろ、見飽きた光景だった。  耳に入ってくるのは木々のざわめきと、堀を流…

10.頑張りやさん

2008.2.9 歌が、聞こえた。  まるで導かれるように、ふらふらと歌が聞こえる方角へ向かうと、炎の揺らめきが見えた。 「………?」  我に返ると、周囲を見渡す。 「ここは……」 …

9.熱砂の果てに

2008.1.8「村が見えてきたぞ」 ジェレミアの声に、目を開ける。 寝そべったまま肩越しに振り返ると、全員こちらに背を向け、窓の外に目を向けていた。 ぼんやりそれを見ていると、ニキータがこちらに気づき、「あにょう。もう少し、眠ったほうが……

8.内緒の目標

2007.12.19「まったく、強情ですね」 かたくなに口を閉ざすレニに、向かいに座ったユリエルは、呆れた様子で肩をすくめた。 朝食が終わった頃に起き出してきたレニを捕まえ、屋敷の応接間にてさっそく夕べの一件についての尋問を始めるものの――…

7.それは真実かまぼろしか

2007.11.17「ロア、ですかにゃ?」 レニの言葉に、ニキータは難しい顔をする。 ロリマーの宿で、朝食を摂りながら今後のことを相談していると、突然、レニがロアに行きたいと言い出した。 ジェレミアはカラになった皿をテーブルの端にどけると、…

6.雪と氷が奏でる歌

2007.10.28  窓を叩きつける雪は止まることを知らず、このまま降り続ければ、あと数時間で船は雪の中に完全に埋もれてしまうのは目に見えて明らかだった。 「いや~。どうしたもんですかねぇ」  薄暗い船内、重…

5.冷たき鼓動

2007.10.16  歌が、聞こえた。  とても美しい声で――それなのに、とても哀しく、背筋が寒くなるような――深くまで聞き入ると、もう戻れなくなるような、そんな歌声が。  その心…

4.聖なる都に祈りを

2007.8.17  歌が、聞こえた。  とても美しい声で――それなのに、とても哀しく、背筋が寒くなるような――深くまで聞き入ると、もう戻れなくなるような、そんな歌声が。  ――また………

3.一息入れて

2007.8.3  ジンの日。まだ日が出て間もない時間。 「じゃあ、兄さんとテケリのこと、頼むよ」 「……ああ……」  ロジェの言葉に、見送りに外まで出てきたキュカは、げんなりした顔で返事をする。 …

2.始まりの予感

2007.7.13 「とまあ、そういうわけで、これに魔力を注いで欲しいんですよ」  不時着したナイトソウルズの元に戻ったのは、すっかり日が高くなってからだった。  休憩がてら、主教に現在の状況を簡単に説明した後…